ブランキングの自動化で後工程の省力化を実現
MBM導入はサポート対応を含むバックアップ体制が決め手

本多商事株式会社

代表取締役社長　本多 康弘氏

2018年の9月で55期を迎える本多商事株式会社は、紙の卸商として創立。同社が社屋を構える富士市は紙の町でもあり、その中で生まれた。現在はパッケージ、印刷、表面加工、箔押、エンボス、合紙、打抜、紙箱と幅広く対応し、自社内で製造、保管、納品を行なう一貫した生産体制で、徹底した製品づくりを行っている。

ブランキングの自動化で後工程の省力化を実現
MBM導入はサポート対応を含むバックアップ体制が決め手

たくさんの紙を表面加工から
後工程まで担う

本多商事株式会社はこの度、マルチブランキングマシン「MBM」と自動昇降ハンドフォークを導入した。マルチブランキングマシン（以降MBM）は、パッケージ、カード、台紙、ラベルなどを落丁する型作成不要の小ロット向けのマシンである。

同社は多くの製紙メーカー、紙器業者を顧客としスタートし、各企業の要望に応えるうち、様々な整備計画を導入するに至ったという。導入して3ヶ月経過した現在の状況を本多社長に伺った。

−−MBM導入の経緯をお教えください

これまでブランカーは大ロット向けの自動機が主であったため持て余してしまうという印象があり、導入には至りませんでした。近年になって小ロットに対応するブランカーが登場してきたので、これならばと比較検討しMBMを導入しました。その際に使いやすさ、価格の面など色々と検討する箇所はありましたが、セットのしやすさ、型が不要な所、スピードと、一つひとつをみてもよい機械だなという印象でした。

ピンの押し出し方式で型の作成が不要

特にMBMはピン押し出し方式のため、型作成の必要がない。価格やスピードのほか、削減できるコスト面を考えても非常にバランスが良い機械でした。後工程であるブランキングを工賃として取るということはほぼ無いと思います。

いわばそれはサービスの部分。しかし、現場では間違いなく工数がかかっている。加工工程と違って費用が取れないこの部分の費用対効果を考えると当社の場合ブランキングマシンに何千万円とかけるのは見合わず、手頃な価格帯のMBMはそこにフィットしたと言えます。

加えて重要視したのは、購入後のサポート体制です。機械にはトラブルがつきもの。トラブルが起こった時にサポート対応がなければ立ち往生してしまう。過去、価格のみで機械を選んで技術対応がなされないといった苦い経験をしたこともあり、国内のサポート体制は大切なポイントでした。

日本製図器工業さんは、他にも海外の機械を揃えている実績もあり、国内のサポート体制がしっかりしていると感じました。また、当社に来てくれている営業さんも機械について色々と教えてくれるので、これならば安心して任せられると導入を決めました。

−−MBMを導入後、どのような効果がありましたか？

MBMを女性スタッフが1人で操作し
ブランキング工程を完結している

あたりまえですが１番はブランキング時間の短縮と省力化です。これまで多面付けのような1人では時間がかかるむしりを2人で行っていました。

MBM稼働後は、どんな形状であっても作業は1人で完結します。もう1人は別の事ができる。MBMを使うことで単純に作業スピードが上がるだけではなく、2人必要だった作業が1人になり、１時間かかっていた作業が30分でブランキングできるようになった。単純に4分の1の労力です。

また、入社以来長年頑張ってくれている従業員も、高齢化が進み、若い頃と同じようにはいきません。ブランキングはそれ自体とても力が要る作業ですし、紙をむしる人の手も痛みます。作業が省力化され、力作業が減ったことで現場の負担を減らす事へ貢献してくれています。

MBMで作業する場合、捨て刃があると逆に邪魔になってしまうため木型を仕様変更し、捨て刃を無くしたのですが、それも良い効果であると思っています。

ただ、機械を運用する上での注意事項がありますから、それに合わせ現場の仕様を変更している過度期になります。

−−今後の御社の取り組みは？

一緒に導入されたリフターも稼働中

自分たちで創ったものを売っていくというより、お客さまから注文頂いたものをいかに良いものとして作り上げるのかが大切だと考えています。

現場のオートメーション化を進めることで生まれる余力を上手に使い、より品質が向上するように努め、お客さまに満足していただけるものをこれからも提供していきたいと考えています。